お母さんの味
本来なら人様の前では「母」と呼ぶべきですが、今回は敢えて一部「お母さん」と呼びます。
お母さんの味はやっぱり美味しい。
只今帰省中です。
皿洗い・洗濯物たたみなど家事はなるべく手伝うようにしていますが、今回は料理は母メインで作ってもらっています。
私の母は料理上手です。
奇をてらったものはあまり作りません。
普段の、普通の料理が美味しいのです。
ひじきの煮物、切干大根の煮物、ハンバーグ、鶏の唐揚げ、あさりの佃煮、蓮根のきんぴら、野菜の天ぷら、肉じゃが、コロッケ、アスパラベーコン、……。
そういった、目新しくはないけれど普通に食べたくなるものが美味しい。
味付けは甘じょっぱく、田舎風。
洗練された料亭の味ではありません。
でもだからこそ、いつもの美味しさがあります。
大学入って一人暮らしし始めて早10年、元々料理好きだったのもあり、自分で作る料理にも慣れました。
クリスマスやバレンタイン、誕生日などイベントの度に、前々から考え抜いて頑張って凝った料理を作り、味にうるさい相方をうならせたりもしています。
もちろん、日常の料理もそれなりに出来る方だと思います。
それでも、やっぱり母にはかなわない。
塩むすびでも卵焼きでも、やはり母の方がうまいのです。
実際の味にはさして差が無いのかもしれません。
でも「お母さんの味」の方が絶対美味しい。
何の違いなんでしょう。
お母さんの手作り、というスパイスが引き立てているのかもしれません。
母も、私や兄、姉などが帰省すると腕をふるってくれます。
普段は、刺身と買ったおかずがあればいい祖父、反応も薄いししょっちゅう接待でいない父、の三人暮らし。
自分一人のために揚げ物や手の込んだものを作る気は起きないようです。
それをつまらなくも思っているようで。
「あんたたちが帰ってくると作り甲斐があるわぁ」
と喜んで天ぷら揚げてくれたり、ハンバーグ作ってくれたり。
腰痛も酷いのに…うれしい限りです。
だから「おいしい~」とちゃんと言葉に出して感謝します。
言葉に出して伝えること、それが大事だと思います。
そうしないとせっかく腕をふるってくれたのに、感謝が伝わらないから。
しかし母も今年で59歳、職業病の腰痛や手の痺れもあるし、いつまでも作ってもらえると思っていてはいけません。
いずれは帰省したら作ってあげる側にならなくては。
その間に、「お母さんの味」を盗まねば。
今日の昼ごはん、お母さんの切干大根煮美味しかった。
あの味を覚えたい。
ずーっと、忘れないでいたい。
料理上手な母を持った幸せ、貴重な財産です。
姉は自己流(あんまり作らないし)、兄は南インド料理にどっぷり。
それはそれでいいけれど、私はお母さんの味を受け継ぎたい。
せっかくお母さんの娘に生まれたんだから。
ありがとう、お母さん。
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