六月大歌舞伎(新橋演舞場、2011.6.2、夜の部)
六月大歌舞伎、夜の部編です。
まずは宇野信夫による新歌舞伎、「吹雪峠」。
兄貴分の直吉の妻おえんと駆け落ちした助蔵夫婦の前に直吉が偶然現れ、夫婦は自分が悪いのだ、自分を殺してくれ、とかばい合うが、いざ刀を見ると今度は相手が悪いのだ、と罵り合う、というお話。
直吉の染五郎にはもう少し威厳が欲しいところ。
助蔵の愛之助さんはまあまあ。ちょっと後半ドロドロ感が足りないかな。きれいなんですけれどね。
孝太郎のおえん。…孝太郎ってあんまり美人じゃないんだよなあ。声もイマイチ色気が無いし。好みの問題かもしれませんが。
この狂言はあまり好きにはなれません。
可笑しいところも多いんですが。
なんか釈然としない。
直吉が去る時、敢えてすっぽんを使う理由が分からない。
短い狂言ですが、無駄で余計な演出が多い気がします。
次は夜の部のメイン、「夏祭浪花鑑」。
これは古典の名作ながら、筋がややこしくて分かりにくい〜。
筋書き読んで、さらに実際に観てようやく分かる、という感じ。
人気狂言なんですけどね。
吉右衛門と仁左衛門さんの久々の共演だとか。
どちらも好きな役者なので楽しみにしておりました。
でも…
ニザ様出番少な〜い
あまりに期待しすぎておりました。
でもこの大スターお二人が共演する必要性もないか…とも思えました。
吉右衛門の団七は想像通りぴったりのはまり役。
豪快で、それでいながら義理深い団七を上手く演じておられました。
殺し場の見せ所も、うん、やってくれるねえ、とすっきり。
似合ってるなあ吉右衛門。
段四郎の義平次も憎たらしさ全開でヨシ
最後は「色彩間苅豆」、通称「かさね」。
染五郎の与右衛門と時蔵のかさね。
うんうん、これは二人とも似合っている。
特に時蔵のかさね、鬼女となってからの執念深さがよく出ている。
割と長い踊りですが、楽しめました。
ふ〜、さすがに昼夜通しはキツいですね。
体力と気力の衰えを実感しました。
でも一睡もせず観ることができました。
これもニザ様、吉右衛門、愛之助、染五郎、時蔵といった大好きな役者が揃ったおかげ。
これから1ヶ月、頑張って下さい!!
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