第115回練馬区民寄席(2009.7.14 練馬文化センター)
一昨日は蒲田に歌舞伎の巡業を観に行く予定だったのですが、どうにも体が重くてキャンセル。
その代わりという訳ではないですが、昨日練馬に寄席を観に行ってきました。
お目当ては講談界の人間国宝にして怪談の名人、一龍斎貞水。
勿論演目はそれだけではなく、講談のお弟子さん、落語もありました。
まずは前座。
柳亭市也による「たらちね」。
ごく普通の落語に登場するいい加減な八っつあんの所に、漢学者の娘で言葉遣いが小難し過ぎる嫁が来て…という噺。
中々歯切れもよくってこれからが楽しみな方です。
橘家圓十郎による「弥次郎」。
ウソばっかりついてる弥次郎の話。
マクラは下ネタ。
まあ本題も大概なんですが…
ちょっと苦手かも。
圓十郎も下ネタが似合う風体ですし。
一龍斎貞友による講談「徂徠豆腐」。
この方女性で、声優さんでもあるそうです(ちびまるこちゃんのお母さんなど)。
講談を初めて聞きましたが、下手な落語より面白いですね。
ただ貞友さん、余計な話を途中でしすぎる気がします。
直球で行けばいいのに…
橘家圓蔵による「心眼」。
盲人の話で、「めくら」「按摩」などの言葉がばんばん出てくるのであまり高座には掛けないそうです。
昨日は盲人の方がいらっしゃらなかったから噺せたとか。
でもいい話。笑えるというより、終わってからじわ〜っとくる話です。
差別的な所があるとはいえ、こんな噺が出せないなんて勿体ない。
仲入りを挟んで、いよいよ貞水による怪談。
これも盲人の噺でした。
マクラで
「皆さん、あまり怖くない方がいいでしょう?」
と言って、実際にあまり怖くない噺をされました。
貞水の怪談聞きに来て怖くない噺をされるって…
期待はずれです。
チラシの宣伝文句にも「人間国宝・貞水による思わず涼しくなるような怪談」とありましたし。
話し方はさすがに人間国宝、上手いなあと思います。
でもいかんせん全然怖くない。
先が読めてしまう。
残念でした。
ちなみに演目は「『真景累ゲ淵』〜宗悦殺し」。
違う噺だったら怖いのかなあ。
今回聞きに行って、「自分は心底楽しんだり笑ったり出来ないんじゃないか」と思いました。
実際、頭では面白いと分かっていても笑えない。
一度も声を出して笑うことがありませんでした。
周りは大爆笑してるのに。
もちろん他人が笑ってるから自分も笑わなきゃいけない、なんてことはないんですが。
なんだか寂しい気分になりました。
ラーメンズのときもそうだったっけ。
「笑い」の感情を取り戻したいです。
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