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歌舞伎座六月大歌舞伎、昼の部(2009.6.11)

歌舞伎座の昼の部を観てきました。
お目当ては仁左衛門の河内屋与兵衛、『女殺油地獄』。

私はこの演目を8年ほど前に、染五郎の与兵衛で観て歌舞伎にハマりました。
その時、「仁左衛門ぽいなあ」と感じていたのですが、後になって染五郎が仁左衛門に稽古を付けてもらっていたと知って納得。
仁左衛門の与兵衛で観たいと思っていた念願が叶いました。


普段なら1週間前でもチケット予約が取れるのですが、今回は電話した時点で「11日に1席残っているのみで、他の日はもう完売です」。
もらったーーーー!!
さすがすごい人気。


さて、1演目目は『正札附根元草摺』。
これは始めて見ました。曽我物の踊り。
演目としては面白いんだけど、松緑の滑舌の悪さが気になる…
役者として致命的な傷を、これからどう魅力に変えて行けるかが勝負どころ。


次は『双蝶々曲輪日記』より、「角力場」。
これも豪華キャスト。
幸四郎の濡髪、吉右衛門の放駒、染五郎の与五郎。
濡髪はデーンとしてれば良いだけですが、対する放駒は滑稽さと風格が必要。
吉右衛門上手いなあ。
でも際立ってたのは染五郎。典型的な若旦那っぷりがますます似合ってきました。
お客受けも良く。


『蝶の道行』は有名な踊りですが、踊りの上手下手は未だに分からず…
演出は派手め。
う〜ん、福助と梅玉さんの品の良さが映えないなあ。
地獄の責めからは、苦しみと派手な演出がマッチして中々。


いよいよ最後、『女殺油地獄』。
タイトルからしてインパクトある、近松の代表作の一つです。
簡単に言えば、油屋の放蕩息子・与兵衛が金を借りようとして断られ、殺して盗むという話です。
それに複雑な家庭事情や親子の情が絡み合います。
大抵の演目は退屈な場面があるものですが、この作品は全編通して楽しめます。

仁左衛門の放蕩息子ぶり、いいですねえ。
前述の染五郎のような若旦那役も似合うし、世話物やらせたら当代一。

この演目の見所と言ったらなんと言っても殺し場です。
与兵衛は油屋の女房お吉に借金を断られ、油まみれになりながら斬りつけます。
斬りつける時の顔つきの変化も見事。
薄暗い中、衣装も髪も油まみれ、ぬらぬらと滑りながらの凄惨な殺し場は正に「油地獄」。
この油、実際には寒天を使っています。

初めて歌舞伎を見る方や、歌舞伎に慣れてない方に、是非観て頂きたい演目です。


ちなみにチケット、キャンセルもちらほら出てるようです。
ネットでは完売になっていますが、チケットホンに電話すると取れたりしますよ。
なので、私は親ともう一度観に行けることに!

今月はホクホクです。

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コメント

う〜ん、前にも書きましたが、うらやましい。
歌舞伎見たいです!
なんで、東京にいる時に観に行かなかったのか・・・。(-_-;)

昔は断然玉三郎が好き!でしたが、この年になって来たら
片岡仁左衛門、中村吉右衛門、ぜひぜひみたいですねえ。。

近松・・・いいなあ。

投稿: 乃琶 | 2009年6月12日 (金) 13時29分

このコンビなら見応えがあったでしょうね。

私は『女殺油地獄』は映画で2回観てるんです。

昔の再映で30年ほど前は河内屋与兵衛:中村扇雀 、父・徳兵衛:中村鴈治郎、豊島屋お吉:新珠三千代でした。

17年ほど前にお吉が樋口可南子、徳兵衛:井川比佐志、与兵衛:堤真一のは、樋口可南子が怖いくらい色っぽかった。

今度は機会を見て歌舞伎で近松ものを観たいです。

投稿: ば~ば | 2009年6月12日 (金) 16時13分

乃琶さん〜

このために東京来てもいいくらいの演目ですよ(笑)
地方だとこういう時に残念ですね。京都で学生してたときは夜行バスで往復したり頑張ったものです。

玉三郎は今でも綺麗ですよね。
仁左衛門ははんなりした世話物、吉右衛門は豪快な格好良さで私も好きです♪

投稿: かわやなぎ | 2009年6月12日 (金) 19時57分

ば〜ばさん〜

見応えたっぷりの昼の部でした♪

女殺〜は映画もあるけれど見たことないんです。
そうですか、いいんですね。見てみたいです。

近松物は違う作品ですが卒論で苦しんだので、面白いながらも複雑な気分になります(;^_^

投稿: かわやなぎ | 2009年6月12日 (金) 23時04分

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