疾風怒濤の3日間、第3日目

いよいよ最終日、やっとこさ誰が読んでくれるかわからない文章書きも終わりだ。

最終日は昼過ぎスタート。というか昼まで半分死んでた。
アリナミンEX+と青汁豆乳とレッドブルを注入して、保谷へレッツゴー!

炎天下、駅から徒歩20分、「こもれびホール」へ。こもれび…

「栗コーダーカルテットの夏休み」
一躍有名になったのは、「帝国のマーチ(やる気のないダースベーダーのテーマ)」 ですね。ピタゴラスイッチなんかの音楽も手がけています。

で、生「やる気のないダースベーダーのテーマ」!
やる気起きた(笑)
個人的に面白かったのは、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク〜第1楽章より」。子供が多いので短縮バージョンでしたが、まあ、典雅です、よ。。

最後の〆は、神宮外苑花火大会!燃え尽きた…

そんなこんなで、疾風怒濤の3日間を過ごしたのです。
もはや体力・気力の問題じゃない、「いかにバカをするか」の意地なのです。

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疾風怒濤の3日間、第2日目(その3)

有楽町線祭り、さあ永田町から池袋の東京芸術劇場へ。
読響サマーフェスティバル 三大協奏曲 です。

サマーフェスティバルというだけあって、三大協奏曲というだけあって、聴き応えた〜っぷりであろう。もはやフラフラだった私は、300円くらいのチョコラBBと眠眠打破とレッドブルを注入していきました。

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(小林美樹Vn)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(ドミトリー・フェイギンVc)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(田村響p)
指揮:広上淳一/読売日本交響楽団

これは上手い選曲。ドヴォルザークは問題なかろう。だがヴァイオリン協奏曲だとチャイコフスキーも有名だけど、そうするとピアノ協奏曲に何を持ってくるかが問題になる。シューマン?グリーグ?似てるなあ。イマイチ盛り上がりがねえ。だからといって「皇帝」は別格過ぎる。メンデルスゾーンをVnに持ってくれば、Pはチャイコで問題なかろう。

さて。ソリストも指揮者も知らないw 偏見無しで聞きましょう。

メンコン。メンデルスゾーンは好きでないので(陰湿じゃないから・笑)、あまり詳しくは述べられません。

小林さんの音はどこか乾き気味?メンコンの出だしにしてはあんまり感傷的じゃないなあ…ちょっとオケもずれてる。と思っていたら、カデンツァ以降。正直、低音は深みが足りないし高音は乾いてる。中音域の美しさと言ったら!ノッてきたのかな?
そんな訳で、第2楽章は甘美でした。第3楽章はもっと軽やかでも良いかな。
(なんでこんなに簡単かって言うとうとうとしてたからです汗)

ドボコン。

フェイギン、実にスタイリッシュな演奏。サラッと弾く訳じゃないけど、素朴で牧歌的(フルニエとか)とも豪快で感情的(ロストロポーヴィチとか)とも全く違う、新しいドボコン。現代に通じる感じ。だからといってテクニック倒しにならない。
ただ第1楽章、「ここで音外すか?!」みたいなとこが。ドボコンはよく聞いているので耳に間違いは無いはずなのだが…。調弦狂ったのかと思いましたよ。

第2楽章は新鮮でした。深みより、軽やかさでかつ歌う。この曲の新しい魅力発見。協奏曲聴く時、実はバリバリテクニックを聴きたかったりするので、2楽章飛ばしちゃったりするのですが、ドボコン、凄いです。美しい歌。

第3楽章、やはり音のはずれがあり…。でもそんなことは差し引いて良いでしょう。無駄な強弱の揺らしが無い。ちゃんと、彼の演奏に必要なだけの揺らし方。中々期待のイケメン君です。

チャイコン。

これはいいですよ!非の打ち所無し!ロマンチック・チャイコフスキー!ロマンチック・ロシア!!
田村さん、初めて聴いたけど感動しました。疲れもぶっ飛びますよ。
オケも良かった。田村さんのピアノにピッタリ。息があっていた。お互いが潰すこと無く、迫力がある。広上淳一指揮/読響/田村響ピアノで「皇帝」やったら凄いだろうなあ。「皇帝」はそんじょそこらのピアニストじゃ私は認めませんよ。

なんとなく。
読響って、チェロのピチカートがやたら上手い気がするのですが、気のせい?

おまけ。私的名盤。
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64/プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第二番 [xrcd] ヤッシャ・ハイフェッツ
 スタイリッシュかつxrcdの高音質。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 [Limited Edition, SACD] ムスティスラフ・ロストロポービチ 
超こってり脂ギッシュ。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 [XRCD] ルービンシュタイン
王道、そしてやはりxrcd高音質。

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疾風怒濤の3日間、第2日目(その2)

有楽町線に乗って、有楽町から永田町へ。国立演芸場8月中席 (後半)です。
これは、前半も行っております。毎年8月中席は、歌丸さんがトリで圓朝ものを何年もかけてやるのです。
圓朝もの、とにかく長い。一応怪談物でも、話はどんどん横にそれて人情話になってしまったり。それでも面白いんです。

今年は、4年がかりの「真景累ヶ淵」、前半は第六話「湯灌場から聖天山まで」、後半は最終話「お熊の懺悔」。

せっかくなので、前半の感想も。

べん橋、東京ボーイズ、小南治、Wモアモア、助六、遊雀、扇鶴、歌丸。
小南治、助六、遊雀、扇鶴は、国立8月中席歌丸さんの圓朝ものの定メンバーらしい。小南治普通。助六・扇鶴は数年前と同じネタ、しかもつまらない。ウケないことをネタにウケをとる、私の嫌いなタイプ。遊雀の「堪忍袋」はなかなかいい。中堅期待株。

歌丸さん。リアル。
喋りと少しの所作で情景がありありと。
殺し場が2度、湯灌まである。ゾワ〜ッ。幽霊は出てこないけど、人間の怯えや残酷さや執念が交錯する世界に、惹き込まれます。気の弱い男連れ込んだ上に、旦那を殺させる妾の女って怖い。

「つぅっと青白い煙の昇る鉄筒サァその持ち主はと申しますのは、16日からでございます」

というわけで、16日に最終話を聞きに。
さすがに、演題・噺家の入れ替わりがありました。

小痴楽、東京ボーイズ、小南治、D51、助六、柳好、扇鶴、歌丸。
小南治の棒だらはまあまあ、修行は必要。助六は相変わらず下ネタ。踊りも同じかっぽれ、操り人形上手くない。私四回見てるんですけど…他にレパートリー無いの?柳好の壷算は素直に面白い。客いじりも程々で悪くない。扇鶴は相も変わらず同じネタ。だからこれも四回目、つまらない…。

さて、トリはいよいよ「真景累ヶ淵」最終話「お熊の懺悔」。
期待持たせた鉄砲の撃主、アッサリ…。
その後いきなり話が7年後に飛んじゃうし!(落語は便利)
ま、聞かせどころはお熊の懺悔ですから。
ここからはもう人情物ですね。しみじみじっくり聞かせてくれます。
さすが歌丸さん。

歌丸さん、いま東で古典落語やらせたら、一番じゃないかな。談志のような破天荒タイプじゃなくて、品のある正統派。談志と歌丸って、グールドとケンプのバッハみたいだ(主観)。

そんな感じで、永田町を後にしたのでありました。

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疾風怒濤の3日間、第2日目(その1)

第2日目有楽町線祭りは山場なので、3つに分けます。その1。

角川シネマ有楽町で、「25年目の弦楽四重奏」

結成25年を迎える「フーガ弦楽四重奏団」のチェリストがパーキンソン病を発病、引退を決意することから 四重奏団の歯車が狂い始めるヒューマンドラマ。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番が音楽的モチーフになっています。

良かった〜。私はベートーヴェンあんまり聞かないし、弦楽四重奏曲あんまり聞かないし、14番は映画を見るにあたってお勉強に聞いたくらいなので、演奏の善し悪しは分かりません。でも、映画として良かった!

何より良かったのはチェリスト・ピーター役のクリストファー・ウォーケン。唇が薄いおじ様ってステキよね…じゃない、味があります。深みがあります。
ピーターは問題のきっかけを作った人物でありながら、出番は他の四重奏団メンバーより少ないくらい。しかし、重要な役どころです。「フーガ」と映画を引っ張っていく存在感。因に、ピーターの亡くなった妻役でアンネ=ゾフィー・フォン・オッターが出でいます。豪華や〜

第1ヴァイオリンのダニエルは、孤高の完璧主義者。暗譜での演奏会などもってのほか。才能がありながらソリストではなく四重奏団という道を選んだのは、オケや指揮者と数回のリハで次々演奏するより、弦楽四重奏団を結成してその道を究めるため。ほおぉ。しかしながら人情には薄い。ピーターの件でも後釜探しに協力的。
コイツがまあ、自分で弓まで作るのですよ!本当にそんなことやるプロいるのか。

第2ヴァイオリンのロバートと、ヴィオラのジュリエットは夫婦。ここも、「フーガ」の崩れとともに、家族が崩れていきます。音楽家同士としての軋轢、夫婦としての愛情ゆえのやり切れなさ。夫婦、親子、関係が壊れていく。

この映画、アメリカ映画です。「アメリカのヒューマンドラマって、日本やフランスとは全然違うなあ」と思いました。
それぞれが音楽という芸術に拘る美しい言葉を発し、対して日本の芸術作品じゃ絶対使わないような汚〜い言葉遣いも乱発。内容もドロドロしてはいるんだけど、カラリとしてねちっこくはない。人間描いた日本映画は陰湿でねちっこいですよね。フランスはどこかファッショナブル?

終わりは泣けずにはいられませんよ。ピーターの心境、ダニエル、ロバート、ジュリエットの気持ち。これから4人は、「フーガ」はどうなっていくのか。知りたい気持ち以上に、ここで終わらせたことは上手いと思う。

さて。
「演奏の善し悪しは分からない」し、楽器の善し悪しも分からないのではありますが、なぜか劇中に出てくるCDプレーヤーのメーカーと値段はわかっちゃうのですよ…。演奏者よりオーディオ側の人間なのでしょう。。

さてさて。
もちっと真面目な話をしますと、この映画を見て「なぜ自分がベートーヴェン苦手で弦楽四重奏が苦手なのか」がわかりました。
ベートーヴェン、別格過ぎるのです。ただでさえベートーヴェンは私は避けています。追いつめられてしまうからです。そして精神状態ヤバくなるとひたすらベートーヴェンに走るという危険さ。
そして、弦楽四重奏というジャンルは完璧すぎるのです。ダニエルが求めたように。曲数も多い、実力があればオケのメンバー同士じゃなくて、カルテット単体としてもやっていける。突き詰められる。ピアノトリオだったら主にピアノのスターが中心、五、六重奏曲はカルテット+他メンバーでやったり。カルテットとしてがっちり決められると、隙がなくて息苦しさがあるのです。
だから苦手なのか。同じ四重奏でもハイドンは気軽に聞けますけれど。

おまけ。
「フーガ弦楽四重奏団」で「大フーガ」を聞いてみたい。

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疾風怒濤の3日間、第1日目

さて。第一日目は終戦の日記念、戦争(時代)映画3本立て!

まずは「少年H」

これがですねえ、素晴らしく良かったのですよ。
原作は読んでないし、予告編も見ていないので先入観無し。あまり期待もせず。
ですが、ストーリー、キャストともに素晴らしい。

戦中戦後が舞台ですが、「戦時中に思春期を迎えた少年の成長物語」と言っていいでしょう。
Hの父親役は水谷豊。最初は「相棒」臭い…と思ったのですが、次第にそれも抜けて「洋服の仕立て職人、何よりHが信頼する父親」へ。
H役の吉岡竜輝君。Hが悩み成長する映画ですが、吉岡君が成長していっているようにも感じられるのです。ダブります。
この親子二人のやり取りは、不平あり納得あり葛藤あり。
勿論、他のキャストも見応えあります。時に笑い、時に考えさせられ、時に泣き。
ラスト近く、水谷豊の放心した表情が忘れられません。
小ネタですが、戦時中の食卓の変化も面白い物です。
映画館で初めて、終幕後の拍手を聞きました。是非、観に行って頂きたい映画です。

「風立ちぬ」 。言わずと知れたジブリ映画。
はっきり言って駄作。宮崎駿曰く「もうおてんばな女の子が奮闘するような映画を撮る時代じゃない」とかなんとか。
失敗しましたね。ジブリの世界観で無理矢理大人を描いている。話の丁寧さも無い、飛行機の絵はボロクソ、堀辰雄に敬意を払えてない。
ジブリファンも機械オタクも文学ファンも、全てを裏切る映画です。


「終戦のエンペラー」
マッカーサーの部下が、天皇の政治責任が問えるかを追う映画。
「戦争にどれだけ関わったのか」「そもそも天皇とは何者か」。
アメリカ的「天皇観」が窺い知れて悪くないんですけど、どうしてもアメリカのエンターテイメントなのです。日本人女性とのロマンスを入れなきゃ気が済まない。男臭くやって欲しい…
この映画、原題は「Emperor」。テーマを考えると、原題ママの方がしっくりくると感じるのですが。「天皇」って何だったのか、何なのか。考えさせられます。

因に、NHK朝イチに海老蔵がゲスト出演していた回、別コーナーで紹介されていました。ナビゲーターの青木さやかが「歌舞伎界からは片岡多孝太郎さんが昭和天皇役でご出演…」と言った瞬間。海老蔵が
「明治天皇ですよね?」
と大バカ発言。「終戦のエンペラー」ですよ?あの容姿ですよ?第一あらすじ説明したでしょ?
ここまでバカとは…

とりあえず、「少年H」は名作なので見て頂きたい。

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真夏の疾風怒濤の3日間

なんか1年ぶり以上の更新です。
たぶん見たことある方は今回もう見てない(笑)
Facebookで書ききれんことをまとめようと思いまして。

8/15〜17、超ハードなぶっ飛ばしスケジュールで「疾風怒濤の3日間」と銘打って無茶苦茶やってました。それについて連続で書こうと思っています。

簡単に、何をやったかあらかじめ申しますと、

8/15 終戦の日記念 ユナイテッドシネマとしまえんで「少年H」「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」
8/16 有楽町線祭り 角川シネマ有楽町で映画「25年目の弦楽四重奏」→永田町国立演芸場で8月中席(後半)→池袋東京芸術劇場で読響による「3大協奏曲」
8/17 保谷こもれびホールで「栗コーダーカルテットの夏休み」→神宮外苑花火大会(もはや打ち上げ)

でした。
ぼちぼち、アップする予定です。
久しぶりで書き方よくわからん。

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去年のクリスマス

ずいぶん経ってしまいましたが、去年のクリスマスの話題を。
とっても、とっても充実した12月を過ごしました。

まずはクリスマスの定番バレエ、「くるみ割り人形」。NDLバレエ団。
バレエは見始めたばかりなのですが、驚異的な身体能力には驚かされます。
「なんでそこで動き止まれるの!?」「どんだけ飛べるの!?」的な。
音楽はやっぱりチャイコフスキー、いいですねえ。
小序曲からワクワク感が。
演出はオーソドックスなものでした。
お子様(明らかにバレエ習ってる)が多いので、奇をてらったものはあまりよくないですね。
難点は日本人の手足の短さ…。しょうがないんだけどさっ。
イヴの「メサイア」同様、クリスマスイベントとして定着しそう。
今年はマリインスキーバレエ、キエフバレエが来日するのでどれを観に行くか検討中。
キエフは他にも「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「ジゼル」を引っさげての来日。
どれも見たいがなー!!しかしバレエは金がかかる

次はB’Zの東京ドーム公演「C'mon」12/22。
夏頃夢中になって聴いてて、丁度チケットが発売になって、「もうこりゃ行くしか無いっしょ!」とチケット購入。
東京ドームはでかかった!←何を今更
駅の人出も凄かった!
みんなの熱気も凄かった!!
始まった時は「稲葉さんちっちゃい(;ω;)」とか思ってましたが、途中からはもう引き込まれて圧倒されました。
無論開始から全員総立ち。
稲葉さんのかけ声でやった、ドーム全員によるウェーブ!!
松本さんのギターもカッコ良かったけど、ドラムの人が凄かった。
手拍子についていけない相方なんぞ目もくれず、ノリノリ。
アンコールは勿論「いつかのメリークリスマス」。
そうよね、やっぱりこう来なくっちゃ。
それと、「ウルトラソウル」「Calling」。
余は満足じゃ。

二日おいて頭をチェンジ。
24日イヴは、サントリーホールで恒例のバッハ・コレギウム・ジャパンによる「聖夜のメサイア」。
ビンボーだったため一番安い、合唱やオケの後ろの席
でも、指揮ぶりがよく見えるし案外音響いいし、
演奏は言うまでもなく。
BCJは、世界に誇れるオケ&合唱団です


イヴのディナーは、ニンジンパン、手羽元のトマト煮込み、セロリのサラダ。勿論手作り。
そして…2年もののクリスマスプディング。これでようやっと全部消費しました。

いやー、これだけ充実した12月は無いですね〜。
今年はどんなクリスマスになることやら

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お久しゅうございます

ツイッターやりはじめてから、記事を書かなくなっておりました
もう1年も経つのですね。
ブログ仲間さんのところにもお邪魔せず、ご無沙汰しております。
この1年色々あったので、何回かに分けてちょっとずつ書ければと思います。

一番大きかったこと。
母方の祖父母の死です。
じいばあの愛情でもふれましたが、この二人、本当に仲良しだったんです。
記事の後祖母は大した後遺症も無く元気にやっておりました。

しかし、祖父は末期がんで胃を全部摘出、転移していて取りきれず、苦しい抗がん剤治療を続けておりました。
最後に二人に会ったのは今年の1月半ば、祖父が入院してる病院に、祖母と見舞いにいった時です。
病院に行く途中で「何か昼飯食べていこう、ばあちゃん何がいい?」と聞くと、なんとまあ
「味噌ラーメンにすっかな、焼き肉定食もよかっぺな」
というパワフルな答えが(笑)
味噌ラーメンは1/3くらい残しましたが、ちんまりしたばあちゃんの食欲にびっくり。
病院に着いても、「ばあちゃん待ってくれ、私ら病室知らないんだからー」と言うほど早足スタスタ。
祖父はやせ細ってはいましたが、顔色もまずまず、意識もハッキリしていて「まだしばらくは保つな」と思いました。
まさかそれが最後になるなんて。

2月下旬、私は就職したばかりであたふたしていました(因に今は精神状態の悪化により退職)。昼休みにメールを見ると、兄から「福島のばーちゃんが危ないらしい、詳細は後で」と。
じーちゃんじゃなくてばーちゃん?なんで?と思いながら、携帯ちらちら見つつ午後の仕事をしていると、2時過ぎに「やっぱりだめだった」との着信。
なんとなく調子が悪いなあ、と横になっているうちに、亡くなったのです。脳出血。

葬儀には行きたかったのですが、「あんたは仕事始まったばかりだしばあちゃんと一番会ってるし、今回はそっちを頑張りなさい」と言われ、参列出来ず。「どうしてもお別れしたい」と言いましたが、「亡骸見たらお前の方が精神狂っちゃう」と。確かにそうかもしれない。

葬儀には、別れ雪がどか雪となって降っていたそうです。
入院していた祖父も、線香だけはあげねば、と支えられながらようやっとお別れを。


それからひと月も経たない頃。
朝、母に用事があって電話したら、「今それどころじゃないから…」と弱々しい声が返ってきました。
昼に父に電話すると、祖父が朝方亡くなったのです。
それはもう信じられない思いでした。少し落ち着いたかなと帰りに母に電話すると、あの気の強い母が、か細い声でぽつりぽつりと喋るのが精一杯なようでした。

「ばーちゃんに線香あげてないし、今回は行くから!」と葬儀に行きました。
隠居に着くと、二つ並んだ祭壇の前に祖父の亡骸が横たわっていました。
顔を見るともうぼろぼろ涙が出てきて。
看取った母の言葉によると、それは立派な死に様だったそうです。
普通は人工呼吸器つけて痛み止めのモルヒネ打ってとろとろしながら亡くなるのに、祖父は「人工呼吸器も点滴も全部外してくれ、下着を新しいのに替えておむつも取ってパンツをはく、襟もただす。」と言って、手を組んで、母が「ばあちゃんが来たのか?」と聞くと「そうだ」と言って、亡くなったのです。

葬儀の日、もう3月半ばだというのに、急に吹雪いたのです。まるでばーちゃんが迎えにきたかのように。
どこまでも仲良し夫婦。

きっと、祖父は祖母を独り残していくのが気がかりだったのでしょう。祖母が静かに亡くなり、「もういいよ」という気持ちだったのかもしれません。

二人の死はとてもとても寂しいけれど、辛い入院生活を送るより、天国で二人仲良くお茶を飲んでお菓子食べておしゃべり、が似合います。
良い暮らしをおくっていますように…

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尾瀬旅行

先週末、尾瀬に行ってきました。
東武の2355プラン。23:55分発の夜行特急に乗って会津温泉尾瀬口駅まで行き、それからバスで2時間で沼山峠へ。帰りはまた沼山峠から駅へバス。電車は節約して区間快速浅草行き。
これで8千円はかなりお得。

沼山峠に着いたのが午前6時。

寒さ対策にフリースまで着こんで出発!

ちょっと歩くと展望台(といっても)ベンチがあるだけですが。。

朝の爽やかな空気を吸いながら、プランに付属のおにぎりをば。
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さあ、とことこ歩くぞー!!

まず目にしたのはこの白いの。
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名前は忘れましたが、相方曰く
「これは寄生植物なんだよ。まっ白でしょ?緑が無いってことは光合成をしてない証拠。他の植物から栄養をもらってるんだ」
だそう。ほぉ~、たまには農学部卒の面も見せるのね。

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歩いていると、色々な花に出会います。
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何とかアザミ。

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水がとてもきれいです。

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青空にすじ雲。

この辺で寒いどころか暑くなり、フリースも脱いで。

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こちらは尾瀬沼アザミ。

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ニッコウキスゲが見頃です。

尾瀬沼が見えてきましたよ~。

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ワタスゲ。ポワポワしてて可愛い。

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これは何の花だろー?

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愛のリュック

それから休憩所で昼休み。

ここの蕎麦が意外にうまい!!

行ったら召し上がって下さい。

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尾瀬沼到着!!

水面が鏡のようになっていて美しい!!

若山牧水、「 白鳥はかなしからずや空の青 海のあをにも染まずただよふ

を連想してしまいました。海じゃないですけどね。。

尾瀬沼付近にて。

それから尾瀬沼を一周巡り…

相方渾身の二枚。

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青トンボ、鮮やかです。

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チョウチョ。マクロに凝っているようです(笑)

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帰路。ちょっと歩くと景色が全然違って面白いですよ。

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道には花々が…

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コオニユリ。

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おっチョウチョだ。でも相方の渾身の一枚には敵わないな。

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なんかムーミンのニョロニョロみたいでカワイイ。

こんな感じで、朝6時からから午後3時まで歩きました。

結構早足なのに、休憩時間を入れても8時間は歩きました。

帰りの電車ではすっかりグウグウ。

東京まで4、5時間かかりますからね~。

余裕のある方、のんびりしたい方は一泊をお勧めします。

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じいばあの愛情

三月ほど前、福島の母方の祖母が脳出血で倒れました。
幸い命には至らず、手足の麻痺もなく、平衡感覚が鈍る程度ですみました。
福島県はご存じの通り、放射能の影響で病院不足です。
なので、危機を脱出した頃には遠くの病院にすぐ転院。
最近やっとリハビリを始めたそうです。

そんな祖母のために、毎日欠かさず祖父が病院に通って様子を見ています。
それだけでマメだなあと思うのですが、祖父の生活が一変したのです。

これまで祖母まかせだった洗濯、炊事、家庭菜園などをバリバリやるようになったのです。
奥さんが倒れると夫は何も出来なくて大変、などと世間では言いますが、全然そんなことはなく。
いやあ、いい旦那様です。

そこで面白い話を二つ。

一つ目。
ある日病院から帰った祖父が畑を見たら、ミニトマトが二つ赤くなっていたのです。
それを食べさせたいからと、その日にまた行ったそう。
次の日でもよかろうに、一日に二度も遠い病院に…。
なんてマメなんでしょう。

二つ目。
祖母は便秘気味なんです。
そのために、祖父が毎日さつま芋の小さいのを煮て持っていってるのです。
便秘薬より何より、さつま芋が効くんだとか。
料理なんててんでしなかった祖父が、毎日毎日芋を煮て持っていってる…。
なんてマメなんでしょう。

前々から天然ボケの祖母とそれを温かく見守る祖父、理想の夫婦だなあと思っていました。
でもここまでマメマメしい愛情あふれる祖父だとは…。
なんとも理想的な旦那様です。

ついでにもう一つ小話を。
二人の馴れ初め話です。
お見合い結婚が普通だった当時。
左官工だった祖父が、工事中の家の隣家のお嬢さんだった祖母を見染めました。
そして自分で仲人を立てて結婚を申し込みに行ったそうです。
なんという行動力、なんというカッコよさ。
だから子ども(母と弟二人)には、「結婚相手は自分で探せ」と常々言い聞かせていたとか。

今回祖母が倒れたことで、一層愛が深まったんじゃないかと思います。
じいばあの愛情、憧れです。
いつも二人、こたつでお茶とお菓子を食べてしゃべっている、のんびりしたじいばあです。
こんなじいばあになりたいなあ。
早くまた二人でのんびりお茶を飲む生活になりますように。
じいちゃんのためにも、早く元気になれ、ばあちゃん!!

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«名手達による究極の室内楽(2011.7.6、浜離宮朝日ホール)